ミカド電子「レスキューミー」 ハンマーより小さくて手軽。電車やバス、タクシー内にも持ち込める。緊急脱出用車窓ガラス割りバネパンチ、シートベルトカッター付き

resqmeでスチール缶が凹む レビュー
スチール缶が凹む威力

ハンマーを振り回せないケースも

車内に閉じ込められた場合に窓ガラスを割って脱出するために必要なのは「ハンマー」と思いがちですが、その時の状況によっては、「ハンマー」がかえって使いにくい場合もあり得ます。

車体が変形してしまってハンマーを振りかざすスペースが無くなった場合や、水没してしまって、水の中でハンマーを振り回そうとしても、水の抵抗でスローな動きしかできない場合、などが考えられます。

小さいツールがかえって強力

ところが、この小さな「レスキューミー」だと、窓ガラスの端っこに強く押し付けると、内蔵のバネが圧縮されてはじけ、とがった金属の鋭い先端がガラスを小さくパンチします。すると、簡単にガラス全体が割れます。

公式サイトより

スペースがなくても、水の中でも、「レスキューミー」をガラス面に押し当てることが出来さえすれば、窓ガラスは割れます。

交通機関の窓は強化ガラス

現在、街なかを走っている車やバス、電車の窓ガラスは、割れた場合にガラスの破片でケガをしないように、破片の角が丸く、粉々に割れるように工夫されています。

建物に使われる普通のガラスのような、危険な破片が出る割れ方はしません。

こなごなに割れて、ガラスのとがった切っ先が発生しない割れ方なので、ケガをしないようになっています。

交通機関に使われるガラスはこのように、いわゆる「強化ガラス」という特殊な作り方をしたガラスなのです。

ただし、車のフロントウィンドウは「合わせガラス」と言って、さらに安全度を上げるために、二枚の強化ガラスを、間に透明な中間膜をはさんで貼り合わせてあるので、粉々に砕け散りません。

これが、脱出する際にはかえってネックになってしまうので、サイドウィンドウ、あるいはリヤウインドウから逃げましょう。

強化ガラス=テンパっているガラス

「強化ガラス」は英語では「Temperd Glass(テンパード・グラス)」です。

「テンパっている」は、日本語では「緊張で張りつめている」という使われ方をしますが、強化ガラスは、ガラス全体に強力なテンションがかかって「張りつめている」状態でバランスが取れているので、ガラスのどこか一箇所だけをピンポイントで割ると、全体のテンションのバランスがその瞬間に崩れ、ガラス全体がいっぺんに割れる構造になっています。「緊張の糸が切れる」状態ですね。

なので、ハンマーをまき割りのように振りかざして、力いっぱいのフルスイングでガラスを割る必要はありません。

ガラスの端っこを狙う

強化ガラスは、この「レスキューミー」のように小さなツールでも、窓ガラスのはしっこにピンポイントで鋭く一撃パンチすることができれば、ガラス全体が割れるのです。

この「レスキューミー」使用上の注意事項ですが、むしろ、ガラス面の真ん中よりは、端っこの方を狙って割るのが良いです。ガラス面の真ん中は、一見、割れやすそうですが、実際には力を加えるとたわむので、割る力がそのたわみに吸収されてしまって、実は割れにくいのです。

ガラス面の端っこなら、ガラスがドアフレームなど車体に固定されている部分に近いので、割りやすいのです。なぜなら、割る場合に「窓わく」の部分がガラスの支えとなってガラスを固定するので、割る力が逃げずに、そのままガラスに伝わって割れやすくなるのです。

車体の変形などで身動きができなくなっている場合などは、大きなハンマーはかえって扱いにくく、このような小型の道具の方が扱いやすい場合もあるかも知れません。

車の中に常備しておくにも、大きなハンマーよりは保管場所のバリエーションは多いと思います。

バスでも電車でもタクシーでも

これだけ小さいものなので、車に常備するよりも、身につけて携帯している方が良いかも知れません。
「バス」でも「電車」でも「タクシー」でも、公共交通機関に「ハンマー」を持って乗り込むわけには行きませんが、この小さなツールならいつでも持っていられます。

「バス」の窓を割らなければならない状況、「電車」の窓を割って脱出しなければならない状況、はたまた「タクシー」の窓を割って逃げる状況というのも、考えてみるとすごい状況ですね。

そんな事態に行き当たる確率は、宝くじに当たる確率より高いのか低いのか、わかりませんが、あり得ない話ではないわけですね。

持ち物の余裕があれば、ハンマーみたいにはお荷物にならないので、キーホルダーのようにいつも携帯していられるため、おすすめの道具だと思います。

スチール空き缶でテスト

私が実際に買った「レスキューミー」、ガラスではテストしていませんが、空き缶に押し当ててテストしてみましたら、見事に凹みましたので、性能に間違いはないでしょう。

写真はシートベルトカッターの安全クリップを抜いた状態です。

resqme

「レスキューミー」はアメリカ製

「レスキューミー」はアメリカ製で、「ミカド電子」と「GM(ジーエム)」が、正規輸入代理店のようです。
同じ形で格安のものがあるのですが、性能については試していないのでなんとも言えません。
かなり安いので、私も食指が動きましたが、本番のいざと言う時に役に立たなかった、ではシャレにならないので、私は「正規品」を買いました。

色によって値段が違うので、確認して下さい。

今回のアイテム

今回は車から脱出するのにハンマーは必ずしも必要ではなく、各交通機関で使われている強化ガラスは端っこの一箇所に一撃を与えてヒビを入れるだけで全体を割ることが出来る性質なので、「レスキューミー」のようなバネと突起を使ったコンパクトなツールでも、充分、ハンマーの代わりになる。状況によってはハンマーより有力なツールになりうる、というお話でした。

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